神奈川SR経営労務センター
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 2002年<秋季号> CONTENTS一覧へ戻る
掲載内容
  事業主のための賃金の法律
    賃金の定義
 
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労働基準法と賃金

労働基準法(以下「労基法」という)は、労働者の生活を保障するため、労働者の賃金や労働時間、休暇といった労働条件の最低基準を定めています。
 また、労働条件については、労働者と使用者が「対等の立場において決定すべきもの」と規定しています。
 労働条件の中でも、賃金は多くの労働者にとって自身や家族の生活を支える唯一のものであり、最大の関心事です。
 したがって、労基法には賃金保護のための各種の規定があります。

 

賃金とは

 労基法第11条では、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすベてのものをいう」と定められています。
 この定義には、
@ 使用者が労働者に支払うこと
A 労働の対償であること
の2つの要件があります。
 この要件さえ満たせば、基本給、家族手当、住宅手当などの名称に関係なく、賃金とみなされます。
 賃金とされるためには、労務の対償として報酬が「労働者」に支払われる必要があります。
 したがって、従業員兼務役員については、従業員としての地位に対して支払われている給料は、賃金とみなされています。
 また、「労働の対償」とは、労働関係の存在を前提に、使用者が労働者に対して支払いの義務を負っているもの、と解釈されます。 労働の対償となるか否かの判断基準は次のとおりです。
@任意的、恩恵的給付は、一般的に賃金ではありません。
しかし、結婚祝金、災害見舞金、退職金などであっても、労働協約や就業規則、労働契約などに支給条件があらかじめ明確に定められていて、使用者が支払い義務を負う場合は賃金に該当します。
A福利厚生給付は、一般に賃金となりません。
たとえば、住宅の貸与は、それが無償や低額である場合は、それに伴う利益は賃金であるとする考え方もありますが、原則的には福利厚生施設の利用と考えられます。
しかし、住宅の貸与を受けない者に均衡をとるための手当が支給されている場合などは、その額を限度に賃金とみなされます。
労働者が生命保険会社などと任意に保険契約を結んだときに企業が支払う保険料補助金は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものですから、賃金とは認められません。
一方、労働者が法令により負担すべき所得税や社会保険料などを事業主が本人に代わって負担する場合は、賃金とみなされます。
B実費弁償的給付や業務上必要な作業備品・設備などは賃金に含まれません。
出張旅費や制服、作業服などは本来、会社が負担するものであり、労働者への支給や給付がなされていても賃金に該当しません。
一方、通勤費用は、本来労働者が負担すベきものですが、通勤手当や現物支給としての、通勤定期券は、就業規則などにより支給基準が定められている場合は賃金になります。
Cその他
 ストック・オプション(自社株購入権)制度から得られる利益は、それが任意的、恩恵的な性格であったとしても、就業規則などにより支給基準が明確に定められていたり、使用者が支給条件等を明示した場合は、使用者に支給が義務づけられていることになるので、賃金と判断されることもあります。

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