A 減給の制裁の相手方である従業員に意思表示が到達した日が6月5日であれば、その直前の賃金締切日となる5月末日が平均賃金算定の起算日となります。
平均賃金は、解雇予告手当、休業手当、年次有給休暇中の賃金、災害補償、減給の制裁の制限額の算定基礎として用いられます。
労働基準法第91条では、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が「平均賃金」の1日分の半額を超えることはできないとされています。
そして、同法第12条では、「@平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。(中略)A前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。」と定めています。
この「算定すべき事由の発生した日」とは、平均賃金を算定する際の起算日ですが、具体的には
(1)解雇予告手当=労働者に解雇の通告をした日
(2)休業手当=休業させた日(休業させた日が2日以上にわたる場合は、その最初の日)
(3)年次有給休暇=年次有給休暇を与えた日(年次有給休暇が2日以上にわたる場合は、その最初の日)
(4)災害補償=事故が発生した日または診断によって疾病の発生が確定した日
(5)減給の制裁=減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日(昭30・7・19 29基収5875)
とされています。
今回のケースでは、減給の制裁事由の発生日が5月20日であり、平均賃金算定の起算日は、直前の賃金締切日である4月末日になるのではないかとのことですが、労働基準法の解釈として示されているとおり、減給の制裁の場合には、実際にその事由の発生した日(行為日)ではなく、減給の制裁の意思表示が相手方、つまり対象となる労働者に到達した日を算定すべき事由の発生した日とします。
したがって、6月5日に通知したのであれば、5月末日が算定の起算日となります。
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